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旧十思小学校〜誇りや思い出が詰まった宝箱〜

こんにちは、ジジです。
すっかり秋を感じる季節になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。


open!architecture2014の開幕もいよいよ間近に迫ってきました!

今日は、open!architecture2014のイベントの中から、ジジ一押しの旧十思小学校を取り上げたいと思います。



ご存知の方も多いと思いますが、open!architectureの活動は、
「建物それぞれが持つ『誇り』を街全体で見直す機会を提供したい」という思いからスタートしています。

どの建物でも所有者や関係される方々にとって「誇り」と言える部分があります。

中でも、旧十思小学校は、そうした「誇り」がたくさん詰まった宝箱のような建物なのです。


十思小学校



旧十思小学校の建物は、昭和3年に関東大震災後の復興小学校として建てられましたが、平成2年に惜しまれながら閉校しました。

取り壊しの危機にあった旧十思小学校を救ったのは、今回の見学会でもお話しいただく十思小学校校友会のS会長をはじめ、地域の方々の小学校に対する熱い思いでした。

S会長にお話をうかがいながら、かつて教室だった場所をめぐると、生き生きと学び遊ぶ当時の小学生たちの姿が鮮明に浮かび上がってきます。

小学校はなくなってしまいましたが、建物にゆかりがある方々のお話をうかがうことによって、我々は建物の持つ「誇り」や「思い出」を共有することができるのです。


また、旧十思小学校は今を生きる建物でもあります。

福祉施設や保育園、地域団体等が入居する複合施設「十思スクエア」として生まれ変わっており、そこには新たな「誇り」が生まれています。

施設を管理されている方や使用されている方のお話をうかがうことで、新たな気付きがあるのではないでしょうか。



旧十思小学校の見学会は、
2014年11月1日(土)10時〜12時です。


建物の魅力を味わうとともに、建物にまつわる様々な「誇り」を一緒に探しに行きませんか?

今回、保育園や町会室なども特別に見学させていただく予定です。


お申し込みは、公式ホームページからどうぞ!



[ジジ]
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【イベント案内】上野フェスティバルオブアーキテクチャー

こんにちは。
今年は雪や寒さが堪える冬ですね。
先日は、オープンアーキの活動史上、初の雪中見学会となりました。
その様子はまた近々ご紹介しますね。



さて、今日は、募集締切迫るイベントのご紹介です。

東京都の地域資源発掘実証プログラムとして、地元の上野観光連盟が精魂込めて行う建築ツアーです。
オープンアーキも企画監修や解説などで参画しています。


開催地は、美術館や博物館といった文化施設の集まる上野の杜。
芸術を優雅に鑑賞できる工夫を随所にちりばめた建物たちが、緑の中に点在する「建築の杜」でもあります。

この建築の杜を創ってきた「杜の職人たち」には、名立たる建築家が名を連ねていますが、
自分の建物だけを主張するのではなく、環境や近隣の建物をリスペクトしながら、優美な空間を創り上げてきました。
そんな彼らの想いに触れながら、建築の杜、上野を見学しようという試みです。




ここで少し、先日下見に行った東京国立博物館の様子をご紹介します。
“トーコク”(東京国立博物館の通称)は、
日本近現代の建築の変遷を見るのにも、とても面白い場所なんです。



明治末期の洋風建築・表慶館。(明治42年竣工、片山東熊設計)
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うーん、この階段室たまりません。ルネッサンス様式。





続いて、昭和初期、ナショナリズムが色濃く表現された帝冠様式とも呼ばれる本館(昭和12年竣工、渡辺仁設計)
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日本の社殿を彷彿させる中央階段。





昭和43年に竣工した東洋館は、谷口吉郎の設計です。
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モダンからコンテンポラリーに一歩、踏み込んだのはこの辺りからでしょうか。
正面の柱列­、庇を兼ねた回廊など、和風モダンな外観が印象的です。

内部は吹き抜けになっており、地下1階から5階まで、スキップフロアとなっています。
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大空間と多数の階段には、照明デザインも大切です。
平成の大改修では、LED照明を活用しているとか。




最後に、東洋館の設計をした谷口吉郎の息子、谷口吉生が設計した法隆寺宝物殿により、
完全なコンテンポラリー建築が表現されました。
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法隆寺宝物殿という名前からは想像できない現代的な建物です。平成11年竣工。

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ホワイエにあるこの椅子にも、設計者の想いが込められています。
そのお話は当日会場で。




さて、この建築ツアー、
2月開催分の募集は予想を上回る応募で締切を迎えました。
今回ご案内するのは、3月開催分の募集です。応募は2/19日水まで。→2月21日まで延長されました!

私たちの思い入れが強いイベント、親子ツアーを少しご紹介します。
親子ツアーに参加できるのは、小学校4年生~中学校3年生までの学生です。
同伴者として、保護者となる大人1名にご参加いただけます。
日程は、3月1日(土)12:50~17:50
モニターツアーなので、参加費不要です。2人で愉しめて無料というのも魅力ですね。

建築は他の芸術文化と異なり、その多くが、時間と共に変化や更新をしていきます。
建物の「いまの姿」を見ておくことは、子供たちにとても意義のあることだと思うのです。

さらに、このイベントは見るだけでなく、学ぶことを意識した構成になっています。
見学前のレクチャーで建物の概要を学び、解説を聴きながら見学、最後に
解説者の方を交えて茶話会をするので、気軽に質問ができます。

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普段入ることのできない会議室でレクチャーを行います。会議室からの風景。
普段(職員も?)乗ることのできないVIP用エレベータで移動する予定です。


未来を担う子供たちにこそ、参加してもらいたいと、
スタッフは日々、企画準備を進めています!
募集期間は2月19日まで。→2月21日まで延長されました!
先ずは、下記のイベント情報をチェックしてみてください。

http://www.ueno.or.jp/ichioshi/ichioshi_33.html
(上野観光連盟ホームページに移動します。)

[マエジ]

建物の魅力再発見・中央区役所庁舎

こんにちは。スタッフRです。

open! architecture初の試み、
庁舎建築を見学する「中央区役所〜意外に知らない隠れた魅力を探しに〜」に
スタッフとして初参加しました。

お役所関係の建物はしょっちゅう行くけれど、建物自体を眺める機会ってなかなかないですよね。
今回は解説者、区職員の方と一緒に見学。
今まで気づかなかった建物の魅力や設計者の思いを十分に知ることができてよかったです。



中央区役所02



庁舎建築を多く手がけてきた建築家・佐藤武夫氏の設計で、1969年に竣工した中央区役所庁舎は、
東京都中央区築地1-1-1に位置。1958年に旧庁舎を取り壊し、同じ敷地に建てられました。

仕事をする職員の能率向上が期待できる快適な環境であること、東京のうちでも、特に歴史をもつ由緒ある地域の一つのシンボルとしての顔を持つべきであること、そして住民に便利で親しみのあるものであること。そういった区の庁舎建設の基本構想に、佐藤武夫氏が見事に応えてかたちになったのが中央区役所庁舎なのです!


中央区役所01




この建物は敷地によくなじんだ平たい六角形で、とってもユニークなかたちをしています。
できた当時はまわりに高いビルもなく、特徴あるかたちの建物としてかなり斬新で目立っていたようです。
まさにシンボルですね。
(写真:京橋図書館提供)


中央区役所03




佐藤武夫氏の設計した建物は、一言で表すと「端正」。
外壁は茶褐色の有田焼タイルを張りめぐらし、見る人の気がきりっと引き締まるような印象を与えています。
光の具合によって黒く見えたり、茶色に見えたりするのも変化があって面白いです。
1階の壁部分は、来庁者に地球温暖化や緑化を考えるきっかけになってくれたらと、壁面緑化を実施中とのこと。


中央区役所09



六角形の広い面には、規則正しくたくさんの窓が並び、左右の小さい面にはリズミカルに小さな窓が並んでいます。建物の先は、ゆるくカーブを描いて柔らかさを演出。
参加者のみなさんは、きれいに並ぶ小さなレンガや白いアイアン格子に興味津々でした。
小さな装飾が面のアクセントになって建物の端正さを引き出し、同時にシンプルな面は小さな装飾を引き立てているという説明を聞いて、建築家の細かいところへのこだわりに感心していました。


中央区役所05



京橋図書館側に移動し、サンクガーデンと呼ばれる図書館前中庭を見学。
マンションやビルに囲まれていながらも、明るく開放的な空間が広がっています。
区の構想である、地域に親しみを持ってもらうためでもありますが、
地域の憩いの空間、楽しむ空間としてこの施設を利用してほしいと願った佐藤の想いがこもっています。



中央区役所10


敷地の南の角にある大きな二本の柱が、図書館の門のような役割をしています。


中央区役所04



図書館では、地域資料室を長年担当されている菅原さんが出迎えてくれました。
中央区役所庁舎の関連資料を全員分用意し、庁舎の歴史を中央区の歴史とからめ、わかりやすく説明してくださいました。
図書館は庁舎が建てられた当時の設備を現在も使っていて、書棚や壁時計などに当時の雰囲気を伺うことができます。
長い歴史の中で収集した貴重な資料がそろう地域研究室、庁舎の中に流れてきた時間がそのままとどまっているかのような閉架図書室の見学は、知的好奇心をかなり刺激してくれました。



中央区役所11



その後、再び庁舎側に移動して8階へ。庁舎会議室からから見た風景です。
昔、川だったところが埋め立てられて、首都高速道路になっています。
三叉の三吉橋は1929年に作られたもの。当時は、東京の新名所として有名だったそうです。


PB015806.jpg




続いて道路を挟んで向かい合うように位置する銀座中央会館へ。
こちらも佐藤武夫氏による設計です。すっきりとしたデザインですね。窓の配置が庁舎と似ていて面白いです。


中央区役所07



こちらも庁舎同様、何気ないところにこだわりのデザインがあって、小さな発見があります。


中央区役所06

1階ホワイエの天井

外国では庁舎建築を自由に見学できたり、見学ツアーが定常的に行われていたりするところが多く、人気もあるといいます。
日本ではお役所=とっつきにくい、当たり前すぎてみることころがないのでは?と思いがちですが、
庁舎で働いている中央区役所の担当者、当日引率してくださった職員の方も、
「見学ツアー会を通して建物の魅力を知り、大変勉強になった」とおっしゃっていました。
このように、庁舎建築を見学する機会がもっと増えるといいですね。

[R]
                                  

庁舎建築を見学する~丹下健三と佐藤武夫~

こんにちは。ようやく秋らしい季節となりましたね。

今日は夏の終わりに行った建物見学のお話から。

今年は丹下健三生誕100周年ということで、
高松市内では丹下健三氏にまつわる展覧会やイベントが実施されていました。

その一つ、香川県庁舎を見学する1時間のガイドツアーに参加しました。

DSC_香川県庁舎(入口)

1958年に竣工した香川県庁舎は、丹下健三氏の初期の代表作であり、その後の全国自治体庁舎のモデルになったそうです。そう言われてみると、ジジの地元の市役所の建物にちょっと似てるかも・・・と思いました。

特徴的な外観。伝統的な木造建築とモダニズムの融合だそうです。

DSC_香川県庁舎(全景)

当時の金子県知事は、丹下氏に「民主主義にふさわしい建物を作ってほしい」と依頼したそうです。その結果、誰でも自由に気安く出入りすることができる建物を作ることになったとか。

DSC_香川県庁舎(入口ロビー)

建築とは、理念や理想の結晶なんだなあと、と改めて思いました。「民主主義とは何か」という丹下氏の答えが香川県庁舎に凝縮されているような気がしました。

1階ロビーは周囲が全てガラスで開放感にあふれています。サッシの下枠を地面から浮かせることによって、内部と外部の床面が連続していることをはっきりと見せているそうです。

DSC_香川県庁舎(庭を見る)

1階ロビーに、丹下氏の依頼により製作された猪熊弦一郎画伯の太陽と月を題材にした壁画「和敬静寂」が設置されています。この壁画の内部には、階段やエレベーター、水回りなどが入っており、センターコアシステムという当時は珍しかったシステムが採用されているそうです。

DSC_香川県庁舎(和敬清寂)

あちらこちらにある打ちっぱなしのコンクリートの表面には、木目模様があります。コンクリートを固める際に型枠に使われた杉の木目が写ったもの。技術力の高い職人の方が丁寧に作ったので、今でもコンクリートの状態はとても良いそうです。

DSC_香川県庁舎(コンクリート木目)

家具も建築当時のものが幾つかあります。和風モダンで素敵です。

DSC_香川県庁舎(家具)

講堂です。奥に見える青と白は引き戸です。

DSC_香川県庁舎(講堂)

階段です。

DSC_香川県庁舎(階段)


普段は立ち入ることができない屋上にも入りました。

DSC_香川県庁舎(屋上1)

当初は、喫茶店があり、大勢の人でにぎわったそうです。当時は、周囲に高い建物もなく、景色を眺めながら、ビールも飲めたそうです。

DSC_香川県庁(屋上2)

ツアーガイドは、県庁職員の有志の方でした。少しお話してみました。今回、ガイドを務めるに当たり、一生懸命勉強したとおっしゃっていました。色々とご苦労はあると思いますが、実際に働いている職員の方々から、お話を伺う試みは素晴らしいと思いました。

DSC_香川県庁舎(ガイド)

いつも誰でも入れるがゆえに、なかなか気づかない魅力の数々・・・。
こうした建物の隠れた魅力を伝える活動がもっともっと色々なところで広がってほしいと思います。



open! architecture でも、
百貨店など普段何気なく行っている建物の気づかない魅力を再発見する見学を毎年試みてきています。
参加者からは、「よく来ていたけど、全然知らなかった!」
など驚きの声が飛び交う、毎年人気のイベントとなっています。

今年は、庁舎建築の隠れた魅力を探ってみようと、東京・築地にある中央区役所の見学
11月1日(金)に初めて実施します。


中央区役所にとっても初めての建築見学ツアーです!


1969年に竣工した東京都中央区役所は、全国で庁舎建築の実績を持つ佐藤武夫氏の設計です。
1967年、多年の業績により日本芸術院賞を受賞し、天皇陛下に、当時計画中であった中央区役所などをパネル化して説明したそうです。

DSC_中央区役所(外観)

「普段入れる区役所を見学して何が面白いの」と思う方もいらっしゃると思いますが、
解説者とともに、設計者の意図に思いを馳せながら、内部諸室をじっくり見学します。
普段は入ることができない場所もちょっとだけ覗かせていただきます。

DSC_中央区役所(京橋図書館)

宝探しのように、普段見ることのできる建物の「魅力を発見すること」を、ぜひ愉しんでいただければ嬉しいです。
「中央区役所〜意外に知らない隠れた魅力を探しに〜」
まだ、参加申込み受付中です!
>>>お申し込みはコチラから!

ジジもどんな魅力に出会えるのか、今からワクワクしてます。


【ジジ】

銀緑館~街の記憶~

こんにちは。ジジです。

今、銀座6丁目で大規模な再開発が行われようとしているのを皆さんはご存知でしょうか。

この再開発に伴い、多くの建物が閉館となります。
銀緑館(現在名:第一銀緑ビル)もその一つです。

関東大震災の復興期に建てられ、銀座で80年以上の歴史を持つ銀緑館は、
6月末で閉館し、その後、取り壊されることが決まっています。

銀緑館(外観)

ジジが銀緑館の存在を知ったのは、わりあい最近のことです。

初めて訪れたのは、昨年9月頃、昨秋の見学会の下見でした。
当時、地下で営業していた「バーTARU」で、銀緑館が取り壊しになることを知りました。

銀緑ビル(看板)

「取り壊される前にきちんと銀緑館とお別れがしたい!」

そうした思いから、つてを頼りに、銀緑館の管理会社に連絡をとり、内観見学させていただけることになりました。

銀緑館の企画を考えるに当たって、一番頭を悩ましたことは、銀緑館についてお話をしていただける、建物とゆかりのある方を探すことでした。

オープンアーキの活動で何よりも大切にしていることは、建物にゆかりのある方々から直接お話を伺うこと。

建物に対する理解がより深まり、建物をめぐる色々な思いを共有できるので、ここは絶対に妥協できないところなのです。

その時、既に店子は5階のテーラー「銀座スコット」だけになっていました。

銀緑ビル(スコット)

「銀座スコット」は、オーダメイドの高級紳士服専門のテーラーです。「一度袖を通したら、他のスーツは着れない」と数々の財界人を唸らせた知る人ぞ知る名店です。

銀座スコット(ネームタグ)

高齢のご夫婦が営んでいるお店で、職人気質のご主人が一針一針手縫いしているため、大変忙しくされているとのこと、お願いするのは難しいと聞いてはいましたが、銀緑館の管理人さんに無理を言って、ご協力を打診してもらいました。

しかし、色よい返事はもらえませんでした。
これまでご贔屓にされてきたお客様から、最後の注文がたくさん入り、ご主人は食事を摂るのも忘れて最後の仕事に向き合っているとのことでした。

気を取り直して、かつて1階の店子であった美術品販売店「思文閣」に連絡をとりました。

「入居していた当時を知る人はみな、昨年退職されました」と申し訳なさそうにお返事がきてしまいました。

思文閣(看板)

ところが、見学会を一週間後に控えた土曜日に事態は急展開します。

見学会の打ち合わせと外観のビデオ撮影のために、銀緑館の入り口にいたところ、「銀座スコット」の奥様がちょうど通りがかりました。

銀緑ビル(入り口)

奥様から「何か御用ですか?」と声をかけられたので、思い切って、翌週に見学会を実施することなどを説明しました。すると、奥様から「これも何かのご縁だから」と、とんとん拍子で仕事場にお邪魔させていただくことに。

色々とお話しをするうちに、見学会の当日に、奥様からお話をいただけることになったのです。

こうして、

6月7日「銀座・三十間堀の建物を観て歩く~銀緑館、最後の見学会」を迎えました。

イベントは、銀緑館の見学に加え、かつて中央通りと昭和通りの間を流れていた「三十間堀川」に沿って再開発の波に押される銀座の変遷に触れながら、建築めぐりを愉しみました。

当日は、銀座1丁目からスタートし、まずは、銀緑館と同様に震災復興期に建てられ、かつて高級アパートメントだった奥野ビルを見学。

銀座・建築めぐり(奥野ビル外観・ブログ用)


奥野ビル306号室プロジェクトのメンバーの方に協力をいただき、かつて美容室だった306号室で、その歴史等について貴重なお話を伺いました。

奥野ビル306号室

続いて、三十間堀の運河の上、三原橋地下街へ。ここも、再開発で取り壊しが決まっています。

三原橋地下街

そしていよいよ銀緑館へ。

多くのギャラリーが入っていたことから、ピクチャーレールが残る空間、美しい曲線を描く階段室や玄関のモザイクタイル、電気が止まっている地下に至るまでじっくりと見学しました。

銀緑館(ギャラリー)

銀緑館(階段2)

銀緑館(階段丸窓)

銀緑館(階段1)

銀緑館(照明)

銀緑館(入り口柱頭)

銀緑館(タイル)

銀緑館(旧バー樽)


そして、銀座スコットの奥様が、銀座の移り変わり、銀緑館の思い出、仕事への思いなどを参加者の皆さんの前で語ってくださったのです。

銀緑ビル(見学風景)

長年、銀緑館を仕事場に起こったエピソードの数々。言葉の一つ一つにご自分の仕事に誇りを持ち、お客様に対して正直に誠意を持って向き合ってきた想いが心にずしーんと響き、彼らの想いが伝わってきました。

参加者の方々も、熱心に耳を傾けていました。

銀緑ビル(見学風景2)

奥様にお話いただくことが出来て本当によかったと、ジジは胸が熱くなりました。

多くの方々に愛され、銀座で40年以上も商売を続けてきたテーラー「銀座スコット」の歴史も、銀緑館とともに幕を閉じます。

銀緑ビル(はさみ)

見学会の最後に、
1953年創業以来、銀緑館の地下で営業してきた「バーTARU」の新店舗にお邪魔しました。当時の内装の一部が随所にちりばめられていました。

バー樽(カウンター)

銀緑館時代の写真を眺めながら、余韻にひたる時間を過ごしました。
また、参加者の方々とゆっくりお話をする機会ともなり、
スタッフにとって大変有意義な時間となりました。

バー樽

今回の見学会を通じて、
参加者をはじめ、一人でも多くの人の心の中に銀緑館や「銀座スコット」の記憶が刻まれたのなら、仕事の合間を縫い、最後の見学会を実現した者としてとてもうれしく思います。


〔ジジ〕


追記
7月のある日、銀座に行く用事があったので、銀緑館の前を通ってみました。
変わらずひっそりとたたずんでいて、ちょっとホッとしました。
そう遠くない将来、ポッカリと空いた空間を見上げる日が来るのでしょうか。






プロフィール

「オープン・アーキテクチャー」スタッフ

Author:「オープン・アーキテクチャー」スタッフ

日本初・建物一斉公開イベント
「オープン・アーキテクチャー」
のスタッフブログです。
イベントに関連する情報を、
愉しくお伝えしていきます。

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